卵子ドナーのリスクとは?卵子提供者が知っておくべきこと

昨今、不妊治療の方法の1つとして卵子提供や卵子ドナーなど、インターネットやSNS、テレビから聞いたことがある方はいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、日本ではまだ第三者から卵子を提供してもらい、不妊治療を継続することが認められていないため、なかなか情報を得ることが難しい状況です。

従って、弊社に登録するドナーからリスクについて質問を受ける事が多くあるため、本コラムでご案内できればと思っています。

卵子ドナーのリスクとは?

卵子ドナーに登録された方から、よく相談を受ける内容の中から特に多い点についてご紹介いたします。

(1)採卵のリスク

弊社に登録されるドナーから最も多く相談を受ける内容は『採卵のリスク』についてです。

通常女性は⽉に1回、1つの排卵が起こりますが、卵⼦提供での採卵は採卵準備期間中にホルモン投与することにより複数個の排卵が誘発されます。
採卵(卵巣から卵⼦を体外へ取り出すこと)は全⾝⿇酔をして約15分で終了します。

実際に体験された卵⼦ドナーの感想を聞くと、「採卵は⿇酔を⾏うので、痛みは感じませんでした」、「採卵後、⽣理痛のような痛みが2⽇くらい続きました」等、ほとんどの⽅は、採卵時に痛みを感じないという感想が多いです。
しかしながら、稀に排卵誘発剤による卵巣過剰刺激症候群(ovarian hyperstimulationsyndrome: OHSS)による⾝体のむくみ、腹部の痛みが発⽣することがあり、症状によっては点滴や入院が必要となることもあります。
この点はリスクとして認識していただく必要があります。ただし、卵巣過剰刺激症候群については、採卵までの過程において医師の判断により事前に予防薬を処⽅するケースもありますのでご安⼼ください。

(2)将来、子供を授かる事ができないリスク

当該、卵子ドナーボランティアにおいては、事前にホルモン値(AMH:アンチミューラリアホルモン)の検査を行うことで卵巣内にどれくらいの数の卵子が残存するのかを確認して卵子ドナーとしての適性を判断します。
仮にホルモン値が年齢からみた適正値と比べて低い場合は提供をお断りすることもございます。
検査結果から適性ありと医師が判断したのち、生理が始まってから診察を行い自己注射やお薬を服用していただくことで約10から40個の卵⼦を提供して頂いております。

一度に複数個の卵子を採取させて頂きますが、一般的には卵巣予備機能が低下することはないと言われております。将来ご自身が不妊になる事、子供を授かれないということにはなりませんのでご安心ください。

(3)生活習慣の調整

卵子ドナーは身体的なリスクに目を向けがちですが、生活習慣を大きく変えていただく必要もございます。人それぞれではございますが、生活習慣を変えることが大きなストレスとなり得ることもあります。例えば、卵子ドナーとして選ばれた方は、規則正しい就寝・起床、十分な睡眠、栄養バランスの整った食事、適度な運動、お仕事の調整や休暇(約7日〜10日間)の取得など、個人の置かれている状況によっては難しい事も想定されます。
ただし、卵子を提供していただくためには、一定期間中は留意していただく必要があることをご了承ください。

卵子ドナーのリスクを最小限にする取り組み

前項にて、卵子ドナーのリスクを3つ記載いたしました。
医療(採卵等)上のリスクについては、国内外の医療機関と連携して卵子ドナーが安心して海外での採卵準備及び採卵を行って頂けるよう対応しています。

また、24時間体制で卵子ドナーからの相談へ真摯に向き合い回答することで採卵準備期間中の不安を解消することに努めております。
実際に進めていく中で疑問点や不安に思う事が出てくることが多いと思いますので、都度、相談を受け付けております。

万が一、⽇本へ帰国した後に症状が改善しない場合は、弊社の提携先医療機関にて診察を⾏うことも可能ですので、初めての⽅でも安⼼して望んでいただける環境をご提供いたします。

また卵子ドナーの中には、はじめて海外に滞在する方もいるので治療に係る事以外でも相談を承っております。

次に子供が授かることができないという点については、繰り返しとなりますが、当該ボランティアにおいて卵子を提供していただいても将来、子供が授かれないというリスクは限りなく少ないと言えます。

アメリカでは6回まで提供できるようですが、弊社では卵⼦ドナーの将来の事を考えて2回または3回を⽬処に登録を継続するか否か相談を行なっています。

社会人の方は、仕事の休暇を取得して渡航していただきますが、採卵後の体調不良等が原因で滞在期間が延長する可能性があることをご承知おきください。
またコロナ禍においては、海外から帰国後、2週間の自己隔離を行う必要がありますので、日常生活における行動が約1ヶ月制限されることが想定されます。

卵子ドナーに関するご相談はお気軽にご連絡ください

今回のコラムでは、卵子ドナーリスク等について記述いたしました。
昨今、メディア等でも『卵子ドナー』という言葉を耳にする機会も増え、興味があるものの登録することに不安を感じ、なかなか行動に移すことができない方もいらっしゃると思います。

実際、そのような事からドナー登録する前に相談を多く受けておりますので、興味・関心がある方はお気軽にご連絡ください。

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